こんにちは、天乃 繭です。
皆さんは『認知症サポーター養成講座』って、ご存知ですか?
私、以前から受講してみたいと思っていたのですが、今回やっと行ってくることができました~。
母の介護をきっかけに、この『認知症サポーター養成講座』のお知らせが自治体の広報誌に掲載されているのを知り、どのようなものなのか、そして受講することで少しでも母の介護に役立てることができれば、と思っていたのですが、日程がなかなか合わずで。
けれど今回、予定を調整して行ってくることができたんです。
受講してみての率直な感想は、というと。。。。
正直言うと、母が認知症と診断されてから自分なりに『認知症』について調べたり本を読んだりして、基本的な知識は一応身に付けていたつもりなので、講座の中で紹介された認知症の知識に関しては既に知っていることが多かったな、という印象です。
家に帰ってきてから自治体発行の広報誌を再度みてみたら、
内容:『認知症について正しい知識と理解を身に付ける』
と書いてありました。
なので、受講し終わった今となってみれば、
・『認知症』に関してほとんど知らない
・自分のまわりには『認知症』の人はいないけど『認知症』についての基礎知識を今から身に付けたい
といった人を対象にしていたことを知り、私にとっては知っていることが多かったというのもある意味当然だよね、って思ってます。
私がどうであったかはさておき、この『認知症サポーター養成講座』については、まだ知らない方も多いと思いますので、概要を以下にお伝えしたいと思います。
認知症サポーター養成講座
認知症サポーターとは?
これからの超高齢化社会に備えて、誰でもかかる可能性のある『認知症』に対して正しい知識と理解をもち、認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けをしたり見守っていく『認知症サポーター』を養成することで、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりの実現を目指しているものです。
この『認知症サポーター』は、平成17年度に厚生労働省が『認知症を知り地域をつくる10カ年』構想の一環で、『認知症サポーター100万人キャラバン』として『認知症サポーター』を全国で100万人養成することを目標に推進してきたものです。
平成21年に100万人を達成しましたが、その後も、サポーターは400万人、800万人と増えていき、現在では1000万人を養成することを目指しているそうです。
どういった人が講座に申し込めるの?
各市区町村の自治体が広報誌等で講座の案内を掲載するのですが、その地域の住民なら誰でも受講することができます。
ちなみに私の住んでいる地域では、事前の電話申し込みが必要で、その際に、名前と住所・電話番号を聞かれました。
この『認知症サポーター養成講座』は、自治体が住民向けに開くものと、企業や商店、警察やバス・電車、銀行、中学や高校など、地域社会に対して行われるものとがありますが、内容はどちらも同じになっています。
講座はどんな感じ?
全国どこで受けても恐らく内容は同じだと思うのですが、詳細に関してはわからないので、ここでは私が参加した講座についてお伝えしますね。
・所要時間は?
講座の所要時間は、1時間半で、途中休憩が5分ぐらいありました。
・定員は?
募集定員30名となっていましたが、この日に受講しに来た人は13人。
年齢も20代後半ぐらいから70代前半ぐらいまで様々でしたが、講師の先生によると、今回は若い人が多い、と言ってました。
13人中3人が男性でした。
『介護』に関することは、やはり女性のほうが多いですね。
余談になりますが、母が通うデイサービスを決める時も何件も見学に行きましたが、利用者は女性が圧倒的に多かったですし、スタッフの人に聞いても男性はデイサービスに行くことを嫌がったり、なかなか馴染めずにいると言ってました。
・内容は?
事前アンケート記入
↓
DVD上映
↓
認知症についての説明
↓
休憩(5分)
↓
記憶力チェックテスト(記憶する)
↓
脳活性化テスト
↓
記憶力チェックテスト(書き出す)
↓
事後アンケート記入
↓
自由解散
という流れでした。
もう少し詳しくみていきますね。
<事前アンケート記入>
このアンケートは通常のアンケートとは違い、全員で同時に行います。
二択形式になっていて、講師の先生がアンケートの内容を一つひとつ読み上げていくので、どちらかに〇をつけていきます。
講座を受ける前に『認知症』について自分がどのように思っているかのアンケートになります。
内容としては、
・『認知症』の早期発見・受診・診断・治療は必要と思うか
・『認知症』の初期段階では本人の自覚はあると思うか
・現実を理解してもらうために、時にはきつい言い方をすることも大切だと思うか
など5問ぐらいありました。
<DVD上映>
事前アンケートのあとは、『認知症』の人に対する接し方について、日常生活でよくある『悪い接し方の例』と『良い接し方の例』の3例をDVDで観ました。
内容としては、
・ゴミをきちんと分別できずに出してしまった時の対応について
・コンビニのレジで少額の買い物なのに小銭での出し方がわからずに1万円札を出してしまった時の対応について
・夕方、家への帰り道で迷っている姿を見かけた時の対応について
で、上映時間はおよそ20分ぐらいでした。
<認知症についての説明>
DVDを観たあとは、最初に配布された冊子を使っての認知症に関する説明が行われました。
その冊子に書かれている内容としては、
・認知症とは
・認知症の症状とは
・中核症状・周辺症状とは
・認知症の予防について
・認知症の人と接する時の心構え
・認知症介護をしている家族の気持ち
・認知症サポーターのできること
などで、30ページにわたって書かれてあります。
その中でも『認知症とは』『認知症の症状とは』に特に力を入れての説明でした。
『認知症』について基本的なことを知ることがまず大事、そうして初めて『認知症』に対する適切な対応ができる、とのことでした。
そうですよね、今となっては私もそれなりの知識は持っているつもりですが、『認知症』は何十年という年月をかけて発症するのに、家族にとってはある日突然に! って感じですものね。
家族が気付いた段階では『認知症』に関しての知識は何もないので、戸惑うばかりです。
自分のまわりに『認知症』の人はいない、自分自身その年齢になるのはまだまだ先の事、と思っている今から『認知症』について知ることは本当に大切なことだと思います。
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<記憶力チェックテスト(記憶する)>
講義の後は5分の休憩があり、そのあとで参加者の記憶力チェックテストが行われました。
どんなテストだったかというと、
つばめ | 愛媛県 |
▲ | トマト |
上記のように、4マスの中にそれぞれ『野菜』『記号』『鳥』『都道府県』 が1つずつ書かれているものを見せられるので、それを声に出して3回ずつ読みます。
同じようなものが4枚、計16個の野菜や鳥などの名前を覚えておきます。
テストという形でやったのは初めてだったので、意外とドキドキでしたよ~
<脳活性化テスト>
次は脳活性化テストです。
またまた緊張ですね~。
講師の先生が、『赤いもの』というお題を出し、2分間でどれだけ赤い物を思い出して書けるか、というものです。
一見、簡単そうですが、緊張からなのか、意外と思い出せなくて焦ってしまいました。
一旦出てこなくなると、もう頭が真っ白で他には何も出てこなくなってしまうんです。
講師の先生曰く、2分間で10個ぐらい書ければいいそうです。
ちなみに、この時の最高は男性で15個でした。
そして私はと言うと。。。。
たはははは~(笑)
ま、ご想像にお任せしま~す(汗)
<記憶力チェックテスト(書き出す)>
上記の『脳活性化テスト』の前に覚えた計16個の野菜などの名前を、順不動で構わないので思い出して紙に書いていきます。
16個覚えたあとに『脳活性化テスト』という別作業をしてからなので、これも思っている以上に難しかったですね。
これも全問正解した人が1人いましたが、男性でした。
全問正解できるのは、20人いて1人いるかどうかだそうです。
この男性、素晴らしいですね!!
このテストに関しては、幾つ以上できていればいい、といったことは言われませんでしたが、このようなテストをすることで脳が刺激されて鍛えられていくとのことでした。
時折、やると脳が活性化されていい、と勧められましたよぉ~。
<事後アンケート記入>
最後に、最初にやった『事前アンケート』の裏面に『事後アンケート』があり、それを記入します。
初めの数問は、『事前アンケート』と全く同じ内容になっているのですが、講座を受講して学んだあとで改めて同じ質問に答える形になっています。
その他のアンケートとしては、
・受講する前とした後で『認知症』に関する思いがどう変わったか
・受講しての意見や感想
などです。
アンケートの最後は、今後『認知症』に関する講演やイベントなどのお知らせを希望する場合に、名前や住所・電話番号を書くようになっていました。
これは任意なので、どちらでもOKです。
私は、もっともっと色々な情報を得たいと思っているので、書いてきました。
<自由解散>
アンケートを書き終えた人から、アンケート提出と引き換えに『認知症サポーター』の証である『オレンジリング』を受け取って解散となりました。
感 想
いかがでしたか?
今回受講した『認知症サポーター養成講座』の流れとその内容の紹介でした。
今まで全く『認知症』と関わりのなかった人にとっては、とてもわかりやすい講座内容になっていると思うので、気軽に参加してみたらいいのではないかと思います。
私のように、今現在、認知症の人の介護をしている人にとっては、ちょっと物足りなさも感じてしまいますが、『認知症サポーター養成講座』の本来の目的からすると当然の内容なので、仕方がないですよね。
この講座を受けることで、『認知症』に関して少しでも関心を持ち、知ることで、現実のものとなった時の心構えや対応が違ってくると思うので、多くの人が受講してくれるといいな、と思います。
最後に、もらった冊子に書いてあった『認知症の人への基本姿勢』を紹介したいと思います。
この基本姿勢も、頭ではわかっていても日常のこととなると実践がなかなか難しいとつくずく感じていることでした。
改めて、これから私も心して接していきたいと思っています。
<3つの「ない」>
・驚かせない
・急がせない
・自尊心を傷つけない
です。
イライラしてつい大きな声を出してしまったり、声をかけるときに後ろからかけてしまったりすることもあるので、気を付けたいと思います。
また、朝など時間に追われていると、つい『急いで!』とか『早く!』を連呼してしまいますが、認知症の人にとっては混乱の元となるそうなので、相手のペースに合わせることが大切なんだそうです。
そして認知症が進行してくると、トイレに関する失敗も増えてきますが、何より本人が一番ショックを受けていることを知り、本人の自尊心を傷つけずに済むような対応を心掛けることが大切だそうです。
簡単なことのようですが、なかなかに手ごわいですよ、これは。
上記の3つは、私の苦手とするところではありますが、これからはこの言葉を常に思い出すようにして、接していきたいと思っています。
これを読んで『認知症』について興味をもたれた方は、『認知症』を知るきっかけとして、まずこの『認知症サポーター養成講座』に参加してみてはどうでしょうか?
一人でも多くの人が『認知症』について理解を深め、介護する人もされる人も安心して暮らせる住みやすい地域になるとホント、いいな~、と思っています。
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