繭(まゆ)のつぶやき

講演会に参加して。やっぱり本人・介護者の声が一番心に沁みわたり響きます!

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こんにちは、天乃 繭です。

 

今日は認知症に関する講演会に行ってきました。

土曜日なので、本来ならば母はデイサービスには行かない日なのですが追加でお願いをして、行くことのできた講演会です。

 

今年の夏に『認知症サポーター』の養成講座を受けたのですが、その人達を対象に、認知症になっても本人もその家族も住み慣れた地域で安心して暮らせる街づくりを、という内容の講演でした。

300人収容の大きなホールで行われたのですが、会場は満席。

『認知症』に関する関心の高さが窺えました。

でも、来ていたのは、70歳代ぐらいのおじいちゃん・おばあちゃんばかりでしたけどね(笑)。

私のように親を介護している年代の人はほとんどいなくって、自分達の将来のこととして来ている人が圧倒的でしたね。

正直、一人浮いてしまっているような感じでした~ 😥 

 

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今日の講演の中でも言っていたことですが、『住み慣れた街でいつまでも』となるためには地域の人達が『認知症』に対して正しい認識をもち、地域全体で認知症の人やその家族を支え合っていくことが重要です。

そうなるためには、私達親を介護している年代や『認知症』が発症しやすい年齢の人達だけではなく、『認知症』とは無縁と思えるような若い年代の人達にも『認知症』についてもっと関心をもってもらい理解してもらう必要があると思います。

 

私もかつてはそうでした。

『認知症』なんて自分の親がなるわけがないと思っていたし、自分とは無縁なもの、他人事と思っていたのです。

それが、それが。。。。

だからこそ、私も今このように言えるんですけどね。

 

講演会に行く度に、そして新聞やニュースでも度々耳にしますが、2025年、あとわずか7年後には高齢者の5人に1人が認知症になると言われている時代です。

決して他人事ではありません。

誰にでも『認知症』になる可能性はあり、決して特別な病気ではないんです。

だからこそ、年齢に関わらず今から少しずつでも学んでいかないとならないんです。

少しでも知識があれば、初期の頃に多く見られる『不要な衝突』『イライラ』『不安』は軽減できると思っています。

今日の講演でも言っていましたが、『認知症』に関する正しい理解がないから、訳の分からないことを言ったりやったりする親に対してガミガミと怒り、毎日怒られ続けている母親は、自分は死んだほうがいいのでは、と段々にうつ状態になっていってしまうのです。

親がこのようなうつ状態になる前に、少しでも『認知症』の知識があれば、ここまで親も子もひどい状態にならなくて済んだのではないかと思うのです。

なので、このような講演は、今現在介護をしている人、近い将来が不安な人にとってももちろん重要ではありますが、それにプラスしてもっと若い人達も参加できる、参加しやすい取り組みを行政はしていくほうがいいのではないかと思います。

 

で、今日の講演会ですが。。。

認知症の専門医や地域包括支援センターの人、地域福祉コーディネーター、そして若年性アルツハイマー病の夫を介護している人、それぞれの話がありました。

それぞれ専門の立場からの話はどれも大変有益ではありましたが、中でも、ご主人の介護をされている方のお話は聞いていて胸が熱くなりました。

やはり、この生の声というのが一番ですね。

以下に、その話を簡単に紹介したいと思います。

 

ご主人は3年前にアルツハイマー型認知症と診断され、今では要介護5、施設に入っているそうです。

異変に気付いたのは4年前。

同じことを何度も聞くようになっていたそうです。

変だなと思いつつも日常生活に支障はなく生活できていたのでそのままにしていたら、ある日ご主人のお友達からご主人がおかしいことを指摘され、自分の中でも確信に変わる。

ご主人に病院の受診を勧めるも、自分のお母さんも認知症で介護していたこともあり、認知症への不安から受診を拒否。

そうこうしているうちに、趣味だった散歩も行かなくなり、携帯電話のメールが長文から短文に、メールも打てなくなり、電話もかけられない、電話の取り方もわからなくなるなど、今までできていたことが段々にできなくなっていってしまった。

 

ようやく受診したものの、認知症の診断にはならず、薬の処方もなし。

この時、ご主人を前にプライドを傷つけてしまうのではないかということから、お医者さんにご主人の日常の様子をうまく伝えることができなかったそうです。

更に3年が経過し、病院を受診したときにはアルツハイマー型認知症と診断され、薬も処方されました。

この時の気持ちを、この奥さんは、ようやく病名がしっかりとついてホッとした、と言ってました。

ご主人の認知症の症状は進み、中でもトイレ問題が一番大変だったそうです。

トイレの場所がわからなくなってしまったので、トイレのドアにすぐに『トイレ』だとわかるように紙に書いて貼ったけれど、時すでに遅く、それも理解できなくなってしまっていたそうです。

トイレ問題から外にも出かけられず、そのうち洗面所でオシッコをしてしまったり、ごみ箱の中にしたり、しまいにはリビングでオシッコもウンチもしてしまったそうです。

疲れ果てた毎日を送っていたけれど、トイレをしそうな場所がわかり、そこにビニールシートを敷いて対処し、これがかなり助かったとのこと。

徘徊も始まり、百均で買ったベルを玄関に取り付け、気付かないうちに外に行ってしまうことを防ぎ、また万が一に備えて、首からはGPSを下げてもらっていたそうです。

 

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そんな大変な生活ではありましたが、まわりの人達の温かい助けがあってこそ、今日まで来られたと感謝している、とおっしゃってました。

今では、奥さんのことを『オネエチャン』と呼び、自分の妻でもあることも忘れてしまったらしいのですが、施設に入所をして元気に過ごしているそうです。

 

時折声を詰まらせながら話してくださる姿から、ご主人の介護が本当に大変だったことがしみじみと伝わってきました。

そしてただ単に大変だったということだけではなく、自分のことをすっかり忘れてしまってはいますが、ご主人への変わらぬ愛情を至る所で感じるものでした。

この奥さん、ご主人が認知症と診断されてから、ご主人がどんなにもの忘れをしようとも、どんな言動になろうとも今一瞬一瞬のご主人を認め受け入れることを紙に書き出し、そのように接していたそうです。

 

このように、介護をしている人、または認知症本人の話は本当に心を強く打たれます。

格闘の毎日を送っている自分に、清らかな一滴の水を与えてくれます。

これぐらいのことでへこたれている自分を勇気づけてくれます。

頭がさがります。

今の自分とは程遠いように思いますが、いつか自分もこのようになりたいな、と。

そして自分の経験などが、行き詰っている人の少しでも役に立てるような自分になれれば、と思っています。

 

 

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