こんにちは、天乃 繭です。
突然ですが、年老いた親が食事をしている時に気になること(動作)ってありませんか?
歳を取ると仕方のないことなのかもしれません。
行儀の悪いことだとわかっていても、できなくなってしまっているのかもしれません。
けれど、私には、どうしても気になってしまうことがあるんです。
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それは。。。。
『お箸でお皿を引き寄せること』なんです。
そんなこと、ど~でもいいじゃない?! って思われる方もいるかもしれませんね。
それぐらい大目に見てあげなよ、歳取ってるんだから、っていう声も聞こえてきそうですね。
母だけがそのようなことをしているのなら、私も特に何も思わなかったかもしれません。
というのは。。。。
昔、祖父と一緒に生活していた時、食事をしていると、祖父が奥にあったおかずのお皿をお箸で引き寄せたんです。
それも度々でした。
初めて見た時には、『えっ? お箸で?』って思ったのを覚えていますが、その時はただそれだけだったように思います。
その食事のあと、その時の祖父の動作を見ていた父がこう言ったのです。
『昔は食事の作法にはすごくうるさい父親で、ちょっとでも行儀の悪いことをしたらお箸を持っている手をいきなり凄い勢いで叩かれた。
そして、時には食べていた食事を取り上げられることもあった。
そんな父親だったのに・・・』と言ってました。
そんなに食事の作法について厳しかった祖父が、歳を取ったとはいえ、何のためらいもなくお皿をお箸で引き寄せていたことに驚きました。
祖父は94歳で他界しましたが、認知症になることもなく、大抵のことは一人でできていた人だったんです。
なので、自分が若い頃に子供にしたこと、言ったことを忘れることはないでしょう。
それなのに、厳しく叱ったその子供(=私の父)の前で、自分がやてはいけないと言っていたことを平気でやっていたのです。
母も、子供の頃は食事の行儀作法については厳しかった、と言ってました。
私達の親の親、つまり私達の祖父母は明治生まれなので、大変な時代を生き抜いてきた人達ということもあり、色々なことにとても厳しかったんですね。
自分の祖父母だけに限らず、明治生まれの人の厳しさや強さについてはあちらこちらで聞かれることですよね。
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それが、それが。。。
何十年か経った今、母も当時の祖父と同じように、『お箸でお皿を引き寄せる』という動作を時々するようになったんです。
最初に見たときには、目を疑いました。
当時祖父がやっていたことと同じことを今度は母が!!!
祖父との生活は、私にとって初めての『お年寄り』との同居だったので、お年寄りに関する様々なことはよくわからないままに過ごしていましたが、今、母が祖父と同じ動作をしているのを見て複雑な思いを感じています。
同じことをしていても感じ方が違うのは、『祖父』と『親』の違いがあるからなのかもしれませんね。
母に、『お箸で引き寄せるのではなく、ちゃんと手でやって!』と言うと、母は『そうだわよね』とは言うものの、すぐに忘れてその後も何度もやってます。
これって、私の祖父や母だけではなく、年を取ると誰でもやる共通の動作なんでしょうか?!
手で持つのが面倒だから?!
それとも歳を取ると、お皿を自分のほうに動かすという動作だけでも大変になるの?!
祖父は、子供だった父を叱っていたはずなのに。
母も、子供の頃から親や祖父母から食事の作法について厳しくい言われていたと言っていたはずなのに。。。。
どんな事もそうですが、自分がその状況や環境・その年齢にならなければ本当のことはわからない、と言います。
私も母ぐらいの年齢になったとき、今はこのように言っている私ですが、同じようにお箸でお皿を引き寄せるようなことをしているのかもしれないですね?!
想像するだけで、何だか恐ろしいです!!
歳を取ると、今目の前のことをやることに精一杯で、それ以外のことにはもうあまり気を遣わなくなるのかもしれませんね。
というか、気を遣わなくなるのではなく、遣いたくても遣えなくなる、というのが本当のところなのかもしれません。
自分が母の年齢になった時にその本当の答えがわかるのでしょうが、その時にはこういったことをすっかり忘れていたりして(笑)。
そうだったら、答えを知ることは一生なくなっちゃう~!!
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