こんにちは、天乃 繭です。
認知症が進行してくると、『家族構成がよくわからなくなる』と言いますが、母もご多分にもれず日によって家族構成がメチャクチャになる時があります。
ちゃんとわかっている時もあるんですが、そうでない時には、『私』は七変化してます(笑)。
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母にとっての私は誰?
母は、私達家族との間柄がわからなくなってしまうことが度々あります。
中でも、娘である私のことが一番グチャグチャになってますね。
ある時には『お姉さん』
またある時には『お母さん』
またまたある時には『お友達』
しかしその実体は~ ♪♪
なんてアニメが昔ありましたよね (古ッ! 知っている人のほうが少ないかも・・・)
な~んて、ふざけているわけではなく、実際、その時々によって様々に変化するんです。
当初は、母が家族を認識できなくなってしまったことがものすごくショックでしたね。
- 母が認知症であるわけがない
- 母が認知症になったなんて受け入れられないし、現実を認めたくない
- 事実を根気よく教え続ければわかってもらえて元に戻るんじゃないか
- 何で毎日一緒にいる私のことが一番わからなくなるんだろう
こんな思いでず~と長い間過ごしていましたね。
私には姉がいるんですが、姉とは毎日会うわけではないのに、母は姉のことはちゃんと名前もわかっていて認識しているんです。
一緒に生活している家族のことがわからなくなるのであれば、たまにしか会わない姉のことは尚更にわからなくなったっていいはずなのに、姉のことはちゃんとわかっているんです。
なのに、何十年と一緒に暮らしている私のことはわからなくなるなんて。。。
名前すら出てこないんです。
何で?
何で私のことだけ?
かなり辛かったですね。
後になって、認知症の本を読んだりネットで調べたりして知ったのですが、
認知症の人は、自分にとって身近にいる人のことのほうがわからなくなったり、悪者扱いしたりすることは決して珍しいことではないそうです。
何でなんでしょうかね?!
毎日毎日一緒に生活をしているのにね。
不思議です!
認知症とはそういうものなんだとわかったことで、ちょっとだけ気が楽になったようにも思いましたが、それでも当時は
悲しくて涙が流れてしまうこともありました。
違う名前で呼ばれて、頭にきて返事をしないこともありました。
ムキになって現実をわからせようとしたこともありました。
でも、どんなに否定しても悲しんでも頭にきても努力をしてもこの現実が覆ることはないんです。
この現実を現実として受け入れなければならないんだ。
いつしかそんな風に自分の中で思うようになり、それからは母のその時々に合せて『お姉さん』になったり『お母さん』になったり『お友達』になったりしてます。
自分の中で何か大きなきっかけがあって変わったのではなく。。。。
うん、そうですね、自然とそう思えるようになったと思います。
この現実を『受け入れた』というよりかは『あきらめ』の気持ちのほうが強かったのかもしれないですね。
『認知症の親への対応 介護家族がたどる4段階の心の変化とは』の記事で書いた『第3段階』と『第4段階』にあたります。
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それにしても、私を『お姉さん』や『お友達』と思っているならまだいいですが、『お母さん』はないですよね~
私は本当は母の『子供』なのに、母よりも人生の先輩である『お母さん』になるなんて!!
ちょっと複雑な心境です!!
今、母は何をするにも私が声をかけています。
朝起きると、
歯磨きをしてきて~
はい、朝ごはんできたよ~
熱や血圧測るからね~
はい、薬飲んで~
はい、これ着て~
などなど、全て声掛けをしているんです。
なので、
一つひとつ指示してくれる = お母さん
と思っているんでしょうかね?!
実際のところは良くわかりませんが。
もしかしたら、内心『こいつ、口やかましいんだよ!』なんて思われているかもですよね(笑)。
私のことをお母さんと思っているならもう少し素直に言うことを聞いてくれるといいんですが。
人間、歳を取ると丸くなる、なんてよく言われますが、これ、ウソです! 全然違います!
歳を取るにつれて、素になるというかその人の本性が出てきて、どんどん頑固になっていくと思ってます。
日常の何気ないことは『はい、はい』と言って言うことを聞いてくれるんですが、自分がイヤだなって思ったり、これはって思ったりした時には、絶対に言うことを聞かないです。
あまりにも頑固で言うことを聞いてくれない時は、『いい加減にしろ!』とか『どうなったって知らないからね!』なんて思っちゃうぐらいです!
更には、母は頑固になっている時には、私の言うことは絶対に聞き入れないですが、同じことを姉が言うとしぶしぶながらも聞き入れて従っているんです。
『はあ~?!』
です!!
私は母の『お母さん』なんじゃなかったっけ? 言うこと聞け! です。
あまりにも頭にきたときには、母に直接『ホントに頑固で、私の言うことは絶対に聞かないよね!!』って言ってしまうんですけど、母はどこ吹く風で知ら~ん顔してます!
こんな母の表情を見ていると
『どこが認知症よ!』って思っちゃうぐらいです。
今後、認知症が進んでいってしまった場合に、『私』は母にとってどのような間柄になるのか、ちょっと不安です。
今の『お姉さん』、『お母さん』、『友達』は、母にとって近い関係なのでまだいいですが、これが『どちら様?』に変わらないことを願うばかりです。
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