こんにちは、天乃 繭です。
今回の母の定期受診は、私一人で行ってきました。
というのも。。。
- 母が一緒では、やはり聞きづらいこともある
- 最近の母の状態(症状)について聞いてみたい
という思いがあって。
今の母は、今この瞬間のことしか記憶に残らなくなっているので、母が一緒でも担当医に色々と聞くことはできます。
でも。。。
母のその瞬間に感じるであろう思いを想像すると、『すぐに忘れてしまう』からとはいっても、なんとなく気がひけてしまって、結局一人で行ってきたんです。
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認知症の症状が進むと、最近の出来事が記憶できなくなるだけでなく、過去の記憶も失われていってしまうって、知ってましたか?
『認知症』になると、すぐに忘れてしまうことから何度も同じことを聞いたり、同じ話をしたり・・・
脳が萎縮してしまうことで、新しいことを記憶することができなくなってしまっているんですね。
でも、すぐに忘れてしまうのは、最近の出来事だけ。
『最近の出来事は記憶できずにすぐに忘れてしまうけど、過去のことはよく覚えている』
『認知症』とは、こんな ↑↑↑ 感じ。
そう思っていませんでしたか?
私は、ず~とそう思っていたんです。
記憶できないのは新しいことだけで、昔の記憶はちゃ~んと残っている、って。
ところが、最近の母は、『認知症』になる前のず~っとず~っと昔の記憶、
例えば、
・自分が独身だったときのこと
・私が子供だった頃のこと
・10年以上に亘って毎夏行っていた家族旅行のこと
・亡くなった夫(=私の父)のこと
などなど、すっかり忘れてしまっているようなんです。
昔のことだったら覚えていて会話も弾むかもしれないと思って、時折、昔の話題をしてみるのですが、ほとんど覚えていなかったり、断片的に覚えていても事実と違うことが多かったり、というのが最近目立ってきていて。
えっ、『認知症』になっても、過去の記憶はちゃんと残っているんじゃなかったの?
母だけがおかしいの?
母は、いつの何の記憶なら、しっかりと残っているの?
疑問と不安で一杯でした。
なので、今回、母の担当医に聞いてみたんです。
先生曰く、
過去のことはちゃんと覚えているけれど、最近の出来事・新しいことが覚えられないというのは、『認知症の初期の段階』なんです。
『認知症』の初期段階では、『記憶』を司る『海馬』が萎縮していくので、新しいことが覚えられない、という状態に。
そして『認知症』が進んで『海馬』に脳のゴミと呼ばれるアミロイドβが溜まり過ぎると、今度は昔の記憶を保管しておく『脳の図書館』である『大脳』にそれが溜まり始めるので、過去の記憶も取り出すことができず次第に忘れていってしまうんです。
と。
そうだんたんですね、知らなかった!!
皆さんは知ってましたか?
過去の記憶すらなくなってしまっているのは母がおかしいんじゃなかったんだと一安心すると同時に、母の『認知症』の状態が初期段階を過ぎていることを改めて認識させられました。
そして更に先生曰く、
もっと『認知症』が進むと、過去の記憶も全くなくなってしまうんです。
と。
けれど、これには個人差があり、
例えば、
・『認知症』以外は何の病気もなく健康である場合
⇒ 歳を取るにつれて、そのようなことが顕著に現れるかもしれない
・『認知症』の他に別の病気にかかってしまった場合
⇒ そのような症状が出る前に、残念ながら寿命が尽きるかもしれない
とのことでした。
自分が生きてきた過去の記憶もなくなってしまう状態って、本人はどのように感じているんでしょうかね?!
一気になくなってしまうのであればまだいいですが、徐々に徐々に失われていくとすると、本人は相当の不安や恐怖を感じていたことでしょう。
『認知症』になっていない私達には、その思いは想像することすらできないですね(泣)
哀しいことです。
つくづく、一日も早い『認知症を治す』治療方法や薬の開発が待ち望まれますよね。
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最近、ウンチをもらしてしまう回数が増えたけど。。。
もう1つ、最近の母の状態で気になっていることがあるんです。
それは。。。
ウンチを漏らしてしまうことが多くなった
ということなんです。
オシッコに関しては、もう以前からオムツにしてしまうことが多かったんですが、最近ではウンチも。
便意を感じてトイレに行ったものの間に合わなかった、ということなのか、もう便意すら感じなくなってしまって、知らないうちに出てしまっているのか。。。
どちらともかな、とは思っていたのですが。。。
そこで、これについても担当医に聞いてみたのです。
先生曰く、
年齢的にも認知症の状態からも、どちらもだと思います。
最初は『オシッコ』だけだったものが、『認知症』が進むにつれて『ウンチ』もオムツにしてしまうようになります。
どうしたら改善できるか、ということではなく、
- ウンチが出そうなダイミングでトイレに誘ってみる
- 漏らしてしまったときには、できるだけ早く清潔にする
を心掛けることに重点を置いて対処していってください。
と。
過去記事でも書いてますが、もう母のような年齢(80歳超)になると、失われた機能を回復させるということに目を向けるのではなく、
今の状態を如何に工夫して不便や不都合とうまくつきあっていくか
に焦点を当てて過ごしていくしかないんですね。
母のウンチまみれになったオムツの処理や汚れたおしりを拭いてあげたりすることは、私にはまだまだ抵抗がある、というのが正直な感想です。
まだまだですね、私も!
もちろん、そうは言ってもやらなければならないので、息を止めながら、オェオェしながらやってますけどね。(笑)
でも、今回担当医に話を聞いたことで、自分の中で、何と言うんでしょうかね、大袈裟な言い方になってしまいますが、なんか
『覚悟』
みたいなものが芽生えたような気がしているんです。
今までも、その時々で『介護』は本当に大変でした、なんてったって初めてのことばかりで。
でも、今まで大変だと思っていたことはまだまだ序の口のことで、これからはもっともっと大変な『介護』が始まるんだな、って今は思ってます。
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