こんにちは、天乃 繭です。
母との生活を送る中で、『認知症』の人の脳や感覚って『どうなっているんだろう?』って思います。
これは否定的な意味で言っているのでは決してなく、言い換えるならば『好奇心からの思い』とでも言ったらいいでしょうか。
ん~、『好奇心』ね。
『好奇心』というのも、何か『興味本位』みたいな意味合いになってしまって、私が今感じている感覚とはズレているような。。。
。。。。
あっ、!!!
いい言葉が見つかりました!
『脳の不思議』というのが一番ピッタリのように思います。
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母が今見ている世界には、亡くなっている人も!!
母に対して『あれ?何か変?もしかして。。。』って思い出した頃から、もうとっくの昔に亡くなっている母のおじいさん・おばあさんやお母さん・お兄さんが母にとっては実際に生きている人になっていて、それも今自分が生活しているこの家で一緒に暮らしていることになっているのです。(関連記事:『親が認知症?!初期段階での認知症と老化は見分けられる?!』)
もちろん、母の祖父母やお母さん・お兄さんと今のこの家で一緒に生活をしていた事実なんてないです。
母は結婚前の実家で暮らしていた時間が、今のこの家での生活とダブっているんですね。
母にとっては、時間も空間もなくなっちゃっているんでしょうね。
母はいつも
・おじいさんもおばあさんも家にいないけどどこかに出かけたのかしら?
・こんなに暗くなっているのにまだ帰ってきていないけど大丈夫かしら?
・お母さん達の寝るお布団を敷かなくっちゃ
などと言ってます。
そして夜ごはんの準備の時には、机には家族の人数分以上のお箸が並べられていることもしばしばです。
一体うちは何人家族なんだ~?って思うぐらいに!
下宿屋じゃないんだから! です。
そんな風に、母はおじいさんやおばあさん・お母さんやお兄さんと一緒に暮らしていると思っているから心配も絶えないのですが、私が
『おじいさん達はまだ帰ってきていないよ』とか
『夜ご飯は今日はいらないって言ってたよ』と、
母に話を合わせて言うと、納得してくれるのはいいんですが、それまであんなに心配していたのがウソのように、その後は全く気に留めることもないのには驚いてしまいます。
あんなに心配してたのに!! です。
ま、しつこく何度も何度も聞いてきたり探しに行くだなんて言い出されなくていいんですがね。
母のこの症状は『レビー小体型認知症』?
母のこのような状態は、一般的によく言われている『幻視』にあたるのでしょうか?
母が初めて病院を受診した時には、『99.9%レビー小体型認知症です』と言われました。
そう診断された理由としては、上記で書いたようなことを私がお医者さんに説明したからなんです。
先生曰く、
『亡くなった人が見えたり話しかけたりするのは「幻視」と言って、レビー小体型認知症の代表的な症状の一つなんです。 だからお母さんは99.9%レビー小体型認知症だと思います』と。
認知症には代表的なものとして、『アルツハイマー型認知症』・『血管性型認知症』・『レビー小体型認知症』がありますが、母の場合にはこの『レビー小体型認知症』の可能性は一番低いと思っていただけに、診断名を聞いた時には、
『やはり認知症だったんだ』
+
『それもレビー小体型認知症』
ということでダブルショックでしたね。
でも、長年認知症の人達をたくさん診てきた認知症専門医が『99.9%』と言ったのです。
『99.9%』と言われたら、私達素人にしてみればそれはもう疑いようもないですよね。
母が『レビー小体型認知症』だなんて信じられなかったですが、それでももう受け入れるしかない、と自分に言い聞かせてました。
ところが、ところが。。。
最初の診察から2週間が経って次に受診した時には
診断名が『アルツハイマー型認知症』に!
何で?
99.9% レビー小体型認知症だって言ったんじゃん?!
です。
またまた先生曰く、
『既に亡くなっている人と一緒に住んでいるようだ、と言っても実際にそこに亡くなった人がいる、というわけではないんだね?! そうでないなら、ただ単にお母さんは結婚前の実家での生活に意識が逆戻りしているだけで、それは「幻視」とは言わない。』
とのことでした。
ん? どういうこと? 何が違うんだ?
ですよね。
つまりは、
本人には、実在のものとして人や動物などがはっきりとした形で見えている = 幻視
なんですね。
なかなかこの違いを説明するのは難しく、わかりにくいんですが、
母の場合には、亡くなった祖父母やお母さん・お兄さんは現実に生きていると思い込んでいるだけで、リアルにその姿が母の目の前にあるという状態ではないのです。
なので、母は亡くなっている人に話しかけるようなことはないんですね。
この違い、わかってもらえましたか?
わかるような、わからないような、ですよね。
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既に亡くなっている現実をわからせる努力は。。。
このような症状が母に出てきた時、私は現実を理解してもらおうと必死でしたね。
何度『もう亡くなっているから!』という言葉を母に言ったでしょうか?!
以前の母であれば、内心はどう思っていようとも口では『あら、そうなのね』と言っていたのですが、この頃になると自分がこう!と思ったらガンとして聞く耳をもたなかったので、よくケンカになってました。
あまりにも頭にきた時には、葬儀の時の写真を見せたり戒名を母の目の前に突き付けて見せたりもしましたね。
するとその一瞬は納得して収まるのですが、次の瞬間にはまた元に戻って繰り返しになります。
そんな毎日を送っていた私はイライラしっぱなしで頭がおかしくなりそうでしたね。
このどうにもならない現実に対するイライラは、とっても体力・気力を消耗してました。
そんな私の対応を見ていてかどうかはわかりませんが、子供のほうがずっと上手に母に対応してましたね。
言い合いをしたり現実を理解してもらおうと説得してもムダだということを私よりも先に会得してました。
子供の姿を見習わなければと思いつつ、頭で理解して描くようには全然できなかったですね。
そんな日々が来る日も来る日も続きましたが、次第に私の中にも諦めの心というか受け入れる心が芽生えてきました。
どんなに母に現実を伝えて説得しても、今の母にはその現実を理解することはもう難しいんだ。
それならば、事実を伝える努力をするよりも、母の話に合せて対応していけるよう努力するほうが、母の気持ちも落ち着くし、私も少しでも心穏やかに過ごすことができるんだからそのようにしていこう。
そうすることが母にとっても私にとってもいいのだから、と。
私も少しは成長できたかな?!ですね。
まとめ
認知症の原因はいまだによくわかっていませんが、認知症の人の脳の働きや見ている世界もナゾに包まれてますよね。
自分の今の状況をちょっと置いておいて第三者的考えてみると、ホントに不思議だな~って思ってしまいます。
そんな認知症の人の世界を私達認知症でない人が真に理解してあげることは難しいですが、寄り添うことはできます。
『認知症の親への対応 介護家族がたどる4段階の心の変化とは』で書いたように、介護には介護する家族がたどる4つの段階があると言われているので、すぐに全てを受け入れていくことは難しいですが、時間と共にほんの少しずつでも自分自身が変わっていき、介護する側と介護される側の距離が縮まっていければいいと思います。
自分の経験として、事実を理解してもらおうと説得したり努力してみても、恐らくそれは不可能なんだと思います。
それよりも、言葉は悪いですが、話を合わせて演技していくほうがずっと楽ですよ。
それでも時には『また言ってる!だからね。。。』
ってこともありますが。。。。
いまだに母の口からは亡くなった人達がたくさん出てきてますが、今となっては私は
新人女優 ⇒ 中堅女優
にまで成長して演技してます。
これからも未知な色々なことが出てくると思いますが、真向から体当たりするのではなく、お互いのためになるような対処法を見つけて、極力笑顔で過ごせるようにしていきたいと思ってます。
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