繭(まゆ)のつぶやき

その『時』どんな気持ちを抱いているの?その本当の『気持ち』を想像してみて!

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こんにちは、天乃 繭です。

 

この間、母の病院受診のあと、久し振りに母とお昼ご飯を外で食べました。

そろそろ帰ろうかと思った頃、母がトイレに。

 

あいにくトイレは全て使用中になっていたので、トイレの前で待ってもらっている間に私はちょっと席に戻ったんですが、その間にいなくなってしまって。

あれっ、いない!!

どこに行った?

もしかして外に出て行っちゃった? 

それとも 

自分の席がわからなくなって、違う人の席に?

数秒の間に頭がフル回転したあと、

あっ!!

男子トイレ!!

 

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迷いもなく男子トイレをノックして呼びかけてみると、案の定そこには母が。

女子トイレが全て埋まっていたので我慢できずに男子トイレに入ったのか、それとも女子トイレか男子トイレかもわからず空いていたから入ってしまったのかはわかりませんが。

ちょっとショックでしたが、その時はそれよりも

誰も入ってこないで~!!

です。

 

祈る気持ちで男子トイレの前で母が出てくるのを今か今かと待っていたのですが、なかなか出てこない!

そこのトイレは、男女共に共通の扉を開けたあとに、男子用のドアと女子用のドアに更に分かれる構造なっていたのですが、そうこうしているうちに、男の人がトイレに入って来てしまったのです。

何も知らずに最初の共通のドアを開けて入って来た男の人は、男子トイレのドアの前で立ちはだかっている私を見るなり驚いてのけぞってました!(笑)

そりゃ~そうですよね、男子トイレの前に女の人が門番のように仁王立ちしているんだから。

驚いている男の人に事情を説明し、納得してもらいました~。

 

やっと出て来たかと思ったら、んっ? 何か臭う!!

イヤな予感を抱えながら急いで家に帰り、パンツをはき替えてもらおうとしたら。。。。

おしりはもちろんのこと、太ももやふくらはぎにもウンチが。。。。

たはははっ~ ↷↷↷↷(泣)

 

母は一人で何とかするつもりでいるようでしたが、母一人だけではとても無理です。

洗面所に連れて行って、常備している赤ちゃんのおしりふき(掃除用で使ってます)で拭いたのですが、拭いても拭いても一向にきれいにならず。。。

怒る気は起らなかったんですが、『何でこんなことになってるのぉ!?』って言っちゃったんです。

今までの母ならとぼけたり言い訳をしたりするはずなのですが、この時には、

『わからないのよぉ~』って弱々しく言ったんです。

おしりを拭いている私には、その言葉を言った母の表情は見えませんでしたが、洗面台につかまりながら中腰になっておしりを突き出し、子供に拭いてもらっている母の後ろ姿がとても小さく、寂しく、そして悲しく感じられました。

 

この時の母の『気持ち』は一体どんなだったんでしょうかね?

年老いてしまった自分に寂しさを感じていたんでしょうか?

子供におしりを拭いてもらわなければならなくなってしまった自分を情けなく思っていたんでしょうか?

トイレがきちんとできなかった自分に苛立ちや焦りを感じていたんでしょうか?

 

母がこの時に感じていた本当の気持ちは私にはわかりません。

想像はできても、母の感じていた気持ちにはほど遠いものだと思います。

何だか、せつなくて寂しいですね。

つくづくそう思いました。

どんな思いを持っていたとしても、その思いは一瞬のことで、次の瞬間にはそんな気持ちを持ったことすら忘れているのかもしれません。

それでもその一瞬に感じた思いは心のどこかにずっと感じ続けるのだと思います。

 

結局おしりふきだけではどうにもならないので、怖かったですが転ばないようにしっかりと押さえながらお風呂場できれいにしました。

これからこういったことが増えるのかもしれません。

その度に母の気持ちに触れていくことになるのでしょう。

この日の洗面所での母の物悲しい後ろ姿、そして『何だかわからないのよぉ~』と言った声、その言葉が発していた雰囲気、というのはきっとこれから先忘れることはないと思っています。

 

 

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また、先日、海外に住んでいる学生時代の友人からメールをもらいました。

その中に、お父さんのことが書かれてあったのですが。。。

 

彼女のお父さんも数年前から認知症と診断され、家族が自宅でずっと介護をしてきていたのです。

ところが年々症状は悪化し、自宅での介護も限界となってこの7月からグループホームに入所することになったとのこと。

 

友人は海外で暮らしているので、毎週フェイスタイムでお父さんや家族と話をしているらしいのですが、お父さんは会話には全然ついてこられずニコニコしているだけ。

そんなお父さんを見ていて、『理解』はできなくなっていても『察する力』は鋭くなっているように思う、と言ってました。

私もこれは同感です。

『理解力』が衰えた分、『察する力』は敏感になっているんですね。

例えが悪いですが、赤ちゃんや動物と一緒です。

こちらの持っている『気』や『雰囲気』に対しては、私達以上に鋭いのではないかと思っています。

 

ちょっと話がそれてしまいましたが。。。

で、そのお父さんには、グループホームに入所することを伝えていないらしいのです。

伝えるべきなのか、伝えないほうがいいのか、とても悩んでいるとのことでした。

 

どっちがいいんでしょうかね?!

私の母だったら。。。って思っても結論は簡単には出ません。

伝えても忘れてしまうだろうから言わなくてもいいとも思えるし、伝えずに黙って入所させたらショックを受けるんじゃないかとも思います。

とにかく『察する力』は鋭くなっているので、こちらの心の変化は敏感に気付いているはずです。

あなたの親だったら、どうしますか?

 

また、友人が言うには、

昔、親と一緒に老人ホームに入所していたおじいさんを訪ねたときのこと。

帰り際に、おじいさんから『頼むから家に連れて帰ってくれ』と何度もすがられ困ったそうです。

おじいさんを置いて帰っていく友人と友人の親の姿を窓から寂しそうに見送っている姿を見た時には涙がこぼれたと。

そのおじいさんと同じ思いを今度はお父さんにさせてしまうかと思うと心が痛む、と書いてありました。

 

このメールを読んで、おじいさんのその時の気持ちを思ったとき、やりきれないですよね。

母が『なんだかわからないのよぉ~』と言った時の母の気持ちと、自分の家に帰りたいと切望してもその思いは叶うことなく、一人残されて、子供や孫が帰る姿を見送るおじいさんの気持ち、どこか共通しているように思うのです。

歳を取っていくことは誰でも避けられませんが、母や友人のおじいさんのような哀しい思いをせずに日々を送ることができるようになればいいな~、と心からそう思います。

 

母の介護をしていて、自分が年老いたことや認知症かもしれないということを認めない時期の時には、『いい加減にして!!』といつも思っていたし、時には強い口調で怒ってしまうこともありましたが、もしかしたらその頃のほうがまだいいのかもしれないですね。

だって、認めないということは、自分はまだ歳を取っていないと思っている証拠だし、言い合いになってしまうということも、親もまだそれだけ元気な証拠なわけですものね。

介護は、その時々で本当に大変なことだと思いますが、介護が必要となった人が一瞬のことかもしれませんが、その人が『その時』に感じている本当の『気持ち』に思いを馳せたり、近づく努力をすることは、とても大事なことだと、母のことや友人のお父さんのことから思いました。

みんながそれぞれ幸せな日々を過ごせるようになるといいですよね♪

 

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