こんにちは、 天乃 繭です。
初めて要介護認定を受けたときには、わからないことの連続なので、認定結果に対して『いい』も『悪い』も感じる余裕は正直ないですよね。
今現在の親の状態 = 要介護認定の結果
と、ただそう思うだけなんじゃないかと思います。
通常、この要介護認定の有効期間は1年なので、認定結果で出た要介護度で1年を過ごすわけですが、一度決定してしまった要介護認定の受け直しはできないのでしょうか?
それに、認定結果に納得がいかない、っていう場合もあるかもしれないよね?!
一度要介護認定が確定してしまったら、受け直しはできないのかな?
それに、認定結果に納得がいかないという場合もあるかもしれないわね。
でも安心して!
『区分変更申請』という手続きをすれば、要介護認定の受け直しが可能なのよ!
目次
どのような場合に要介護認定の受け直しができるの?
一度決定してしまった要介護認定。
いったん要介護認定の結果が出てしまったら、
・認定の受け直しなんてできない
・不満があるけど仕方がない
って思っていませんか?
そんなことはないんです!
一度認定の結果が出ても、要介護認定の受け直しはできるんです!
では、どのような場合に受け直しができるのかというと。。。
- 病気やケガなどによって、心身の状態が大きく変化したとき
- 要介護認定の結果に納得がいかないとき
です。
1. 病気やケガなどによって、心身の状態が大きく変化したとき
これは、認知機能の面において状態が急激に悪化してしまったり、転んで骨折をした、などのケガによって、介助や介護が今まで以上に必要になったような場合です。
このような時には、要介護認定の期間内であっても『区分変更申請』をすることによって要介護認定の見直しが可能となります。
有効期間が終わるまで待つことなく、区分変更の申請をして現状に合った要介護認定を受けて、必要な介護サービスを受けるようにしてくださいね。
2.要介護認定の結果に納得がいかないとき
これは、初めて要介護認定が出たときにももちろん可能なのですが、初めてのときには恐らく『いい』も『悪い』も感じることもなく、その認定を受け入れるだけだと思います。
有効期間の1年が過ぎたあとも引き続き介護サービスを受けるためには『更新申請』をしなければなりません。
この『更新申請』をして、新しく出された要介護認定の結果に対して、現状とは大幅に違うと思われるような要介護度が付いてしまった場合に可能となります。
<私の母の場合>
私の母は、初めて申請した時には『要介護4』だったのですが、1年後に更新申請をしたら、『要介護2』になってしまったのです。
1年間デイサービスに通って、他の利用者さんと楽しくおしゃべりをしたり手先を使った細かな作業をすることで脳が活性化され、色々な面においてどんどん改善されて『要介護2』にふさわしいと思われる状態になっているならもちろんそれは喜ばしいことなのですが、実際には誰がみても1年前よりも状態は進んでいるのにです。
更新申請をした段階では、現状維持の『要介護4』。
もしかしたらもう1段階重くなって『要介護5』かもしれない、とケアマネージャーにも言われていただけに、結果を見て本当にビックリでした!
今は超高齢化社会になっているから、要介護認定も以前より厳しくなっている、とは聞いていましたが、まさか『要介護2』とは。。。。
今のこの生活スタイル、私が平日仕事をしている間、母にはデイサービスに通ってもらうというスタイルを維持するには、『要介護2』ではとてもとてもやってはいかれない状態になってしまうのです。
それに、『要介護3』以上で受けられるサービスもあって(各市区町村によってサービス内容はまちまち)、それが受けられなくなるというのも正直かなり厳しい。
そんなわけで、どうしたものかと思っていたときに、認定結果の通知書の下の方に、
<審査請求及び取消訴訟>
この通知について不服があるときは、この通知を受け取った日の翌日から起算して3か月以内に、各都道府県の介護保険審査会(東京都庁内)に対して審査請求をすることができます。
との記載がありました。
これだっ!! この手続きをすればいいんだっ!!
そう思った私は、早速、ケアマネジャーに要介護認定の結果連絡と共に審査請求をしたい旨を伝えようと電話をしたのです。
ケアマネージャーも母の『要介護2』の結果にはビックリ!!
私が『審査請求をしたい!』と伝える前に、ケアマネージャーのほうから『区分変更申請 をしましょう!!』と。
区分変更申請?
何だそれ?
でした。
ケアマネージャーによると、
『審査請求』も『区分変更申請』も要介護認定のやり直しをする、という点では同じだけれど、その方法が違ってくる、と。
審査請求は、
- 東京都に対して行う
- 結果が出るまでに数か月もかかる
それに対し、
区分変更申請は、
- 新規の要介護認定申請や更新認定申請の時と全く同じ手続き
- 各市区町村に対して行う
- 申請から1ヶ月以内に結果が出る
とのことでした。
であるならば、誰でも『区分変更申請』のほうをしますよね。
なので、早速『区分変更申請』をすることに!
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区分変更申請について
要介護認定の受け直しとして手続きをする『区分変更申請』。
この手続きはどのような流れになっているのでしょうか?
区分変更申請の流れは
要介護認定や更新認定を受ける時と全く同じです。
区分変更申請手続き(申請書記入)
↓
各市区町村が主治医に意見書の依頼をする
↓
各市区町村の調査員による再調査
↓
要介護認定
↓
結果の通知
という流になります。
区分変更申請書の書き方
区分変更申請書は、新規の要介護認定申請書や更新認定申請書とタイトルが変わるだけで内容は全く同じです。
区分変更申請書の書き方については『要介護・要支援認定の申請方法』を参照してくださいね。
各市区町村によって、申請書に若干の違いがあるようですが、主要部分の書き方は同じなので、書く際の参考にしてみてください。
<母の場合>
母の場合は、この区分変更申請をしたのが12月だったのですが、年末年始の休みに入る前に少しでも早く認定結果が出るようにとのことから、区分変更申請書はケアマネージャーが全て代行記入・提出をしてくれました。
各市区町村が主治医に意見書の依頼をする
区分変更申請を行う場合にも、初めての要介護認定や更新認定の時と同じく、主治医の意見書が必要となります。
私達はただ区分変更申請書にかかりつけ医の情報(医療機関名・住所・医師名など)を書くだけで大丈夫です。
受診をした際に主治医に、意見書が各市区町村から再度届く旨伝えるのも同じです。
その際には、『区分変更申請』をしていることをしっかりと伝えるといいですよ。
かかりつけの主治医ではありますが、生活を共にしているわけではないので、
- 更新認定結果で出た介護度では、現状の生活スタイルを維持する上でも不都合があること
- 日常において手助けが必要になっている事柄について
- 多くの時間を介護に費やさなければならない状態であること
などを口頭で伝えたり、紙に書いて渡したりするといいですよ。
そうすることで、主治医も診察時の様子だけではなく口頭にて伝えたことや紙に書いて渡したことを考慮しながら、区分変更申請に合った内容で意見書を書いてくれるはずですので。
各市区町村の調査員による再調査
前回も書きましたが、調査員による調査は、
・初めて要介護認定の申請をする時
・区分変更申請をする時
には、各市区町村の担当職員が調査に来ます(更新認定の時は、地域包括支援センターに属している調査員になる)。
この調査も、区分変更による要介護度が決定する上で大変重要な事柄なので、日常の様子をしっかりと伝えるようにしましょう。
その際は、上記で書いた主治医に対するのと同じように、
- 日常生活全般においてどれだけ手助けが必要になっているか
- どれだけ介護に時間を要しているか
を具体的に伝えることをお勧めします。
おおむね一人でできるようなことであっても、『おおむね』であって、全てを自分一人でできているわけではないので、そのような場合にも、おおむね一人ではできているけれど、○○○は手助けをしなければなりません、というような、あくまで手助けが必要なんだということを伝えるのがいいと思います。
調査員の人も、再調査ということで結構細かく調査しますが、とにかく現状を具体的にしっかりと伝えるようにしましょう。
<母の場合>
私が区分変更申請をした時には、口頭だけでは伝えきれないと思ったので、口頭による説明の他に、
- 日常生活全般についての母の様子
- 私が手助けをしなければならないこと
- その他、母のことにどれだけ時間を費やしているか
などを紙に書いて手渡しました。
調査員の人も熱心に母本人に質問をしたり、母の様子を観察したり、私の話に耳を傾けてくれたり、ケアマネジャーに母のこの1年の変化などを聞いたりしてくれました(ケアマネジャーも再調査の時に同席していたんです)。
最後に、希望通りの要介護度がつくかはわかりませんが、自分なりにしっかりと調査表を書きますので、と言ってくれました。
所要時間としては30~40分ぐらいかかりましたが、要介護更新申請のときの調査よりもずっと丁寧にみてくれたとの印象でした。
要介護認定の方法
これも、初めての要介護認定申請や更新認定申請の時と同じで、
<一次判定>
主治医による意見書と調査員による調査結果をもとに、一部の項目がコンピュータ入力されて、一次判定が行われます。
<二次判定>
一次判定結果や主治医の意見書などをもとに、保健・医療・福祉の専門による審議会が開かれて審査および要介護認定が決定されます。
結果の通知
区分変更申請の結果の通知は、要介護認定・更新認定の時と同じく、区分変更申請書を出してから原則30日以内に、通知書と共に要介護区分が記載された『介護保険被保険者証』が自宅に郵送されます。
<母の場合>
母の場合は、更新認定で『要介護2』だったのが、区分変更申請をして『要介護3』に変更となりました。
これで何とか今までと同じ生活スタイルを維持していくことができます。
よかった!!!
申請や手続きの連続ばかりで大変ではありますが、皆さんも『この認定結果では困る!』という時には、ぜひ『区分変更申請』があることを忘れずに自分達に合った介護サービスが受けられるようにしてくださいね!
区分変更期間中のデイサービス利用料金について
この区分変更を申請した日から結果が出るまでの間は、更新認定で出た新たな要介護度が適用されます。(更新認定を受ける前の要介護度ではないので充分注意しましょう)
また、区分変更申請している期間は、要介護認定が決定していないので、今通っているデイサービスの利用料の請求はストップします。
そして新たな要介護度が決定した後に、その要介護度に応じた金額が遡って算出されて2か月分まとめて請求されます。
例えば、
初めての要介護申請で、『要介護4』に
1年後の11月に更新申請の結果、『要介護2』に
12月1日付けで区分変更申請を提出
12月末に新たな要介護認定として『要介護3』となる
このような場合には、
11月には、それまでの『要介護4』として利用したサービスの10月分の利用料を支払う
12月には、11月分の利用料(『要介護2』)は支払わず(区分変更申請中のため要介護度が確定していないから)
⇒ この期間のサービス内容は『要介護2』のものになります
1月に、『要介護3』として11月・12月の2か月分の利用料を支払う
となります。
要介護認定度が確定していない期間にもデイサービスに通ったり、その他の様々な介護サービスを受けると思いますが、
・どのような認定結果になるかわからない
・使える介護保険の上限額が介護度によって違ってくる
以上のことから、この期間に受けるサービスに関しては、介護保険の限度額を超えてしまって実費自己負担とならないよう、ケアマネージャーとよく相談の上、必要なサービスを調整したほうがいいですね。
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