こんにちは、天乃 繭です。
親に安心・安全に過ごしてもらいたい、多くの人達と関わったり色々なプログラムをしていくことで少しでも現状を維持していきたいとの思いからデイサービスを利用したいと思っても、初めての場合には何をどう申請・手続きをすればいいのかわからず戸惑うことも多いですよね。
デイサービスを利用するには、その前に要介護認定を受けなければなりません。
なのでここでは、
介護保険の利用申請手続き
↓
ケアマネージャーの紹介
↓
調査員による調査
↓
要介護認定
↓
結果の通知
の流れをそれぞれ説明していきたいと思います。
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介護保険の利用申請手続き
まず最初に、介護保険の利用申請の手続きをします。
窓口は、各市区町村の介護保険課なので、そこで利用申請用紙をもらいます。
必要事項を記入し、介護保険課に提出をするのですが、この提出は本人でなくても家族や地域包括支援センターの人に代行してもらうこともできます。
申請に必要なもの
申請する時に必要なものは、
65歳以上の場合
- 介護保険利用申請書
- 介護保険被保険者証
です。
もし本人ではなく家族が代行申請する場合には、念のため本人確認できるもの・個人番号通知カード・印鑑を持参したほうがいいかもしれないですね(二度手間になったら時間がもったいないですものね)。
また、『介護保険被保険者証』ですが、これは医療機関を受診するときに出す『後期高齢者医療被保険者証』ではないので間違いのないよう注意してくだいね。
私も母の保険証などを預かるようになった当初は色々な種類の『〇〇〇証』というがあって、『どれだ~?どれを出すんだ~?』って感じでした。
わからない時には、『どれでしょう?』と言って、全部出してみることもしばしばだったんです。
申請書の書き方
いよいよ申請書の書き方ですが、これといって難しことはありませんので安心してください。
ただ、以下に説明をしていますが、『④主治医』欄だけがちょっと勘違いしやすいので注意してくださいね。
では、書き方の説明です。
①被保険者(本人)
<個人番号>
マイナンバー12ケタを記入にします。
<被保険者番号>
介護保険被保険者証の『0000』から始まる全10ケタの数字を記入します。
<申請年月日>
申請書を記入した日、もしくは各市区町村の介護保険課に提出をする日を記入します。
<氏名>
要介護認定を受ける本人の氏名を記入し、カタカナにてフリガナを記入します。
<生年月日>
要介護認定を受ける本人の生年月日を記入します。
<性別>
要介護認定を受ける本人の性別を記入します。
<住所と電話番号>
要介護認定を受ける本人の住所と電話番号を記入します。
<前回の要介護認定の結果等>
今回は新規の申請となるので記入は不要です。
②申請者等
<氏名>
本人以外の家族が申請する場合に、その人の氏名を記入します。(押印は不要)
<本人との続柄>
本人以外の家族が申請する場合に、本人との続柄を記入します。
<住所と電話番号>
本人以外の家族が申請する場合に、その人の住所と電話番号を記入します。
<提出代行者欄>
次に挙げる5種類に属する人が申請を代行するときに、名称と氏名(押印)・住所・電話番号を記入します。
- 地域包括支援センター
- 居宅介護支援事業者
- 指定介護老人福祉施設
- 介護老人保健施設
- 指定介護療養型医療施設
③本人の居場所
- 1 住所地
- 2 病院・施設
- 3 その他(家族宅)
の中から必ずどれか選び〇をつけます。
本人の居場所が、『1の住所地』以外の場合には、下記の項目を記入します。
- 病院名・施設名・家族名
- 住所と電話番号
- 予定期間
④主治医
この欄は、主治医に書いてもらうのではなく、申請者が記入します。
ここに記載した主治医に、各市区町村が『意見書』というものを郵送し、本人がどのような状態であるか等を主治医が書いたあと、また各市区町村へ返送をしてくれます。
もし複数の医療機関を受診していたとしても、その中から1人の先生のみを選んで記入します。
この『意見書』に関しては、私達は一切何もすることなく、各市区町村と主治医とでやり取りするので、主治医となっている医療機関名や住所、主治医の名前等を書くのみで大丈夫です。
⑤2号被保険者(40歳~64歳)
この欄は、該当する方のみ記入してください。
その際は、必ず医療保険証の写しも添付してくださいね。
⑥介護サービス計画の作成等介護保険事業の適切な運営のために ~ 提示することに同意します。
この欄は、ケアマネージャーがケアプラン作成のために、調査票や主治医の意見書を開示してほしいと要望した時に、開示しても差し支えなければ署名をします。
*この欄に署名をしたからといって調査票や主治医の意見書にどのようなことが書かれたあったのか、その内容についてケアマネージャーに聞くことはできないのですが、1年後の要介護認定更新のときに思ったような結果が得られず、再度認定のやり直しの手続きが必要となったときにはとても有効となりますので、署名をすることをお勧めします。
表面は以上となりますが、裏面もありますので引き続き裏面の書き方を簡単に説明しいきますね。
①申請理由
この欄は、複数回答可なので、該当するものに〇をつければいいのですが、初めて申請するときは
1 介護又は支援が必要なため
でいいのではないでしょうか
②ご本人の状況(差し支えない範囲で構いません。)
この欄では、親の日常生活での様子や身体面について、極力詳しく書くことをお勧めします。
私の母の場合は、自宅の階段から落ちて骨折や額を縫うケガをしていたこともあったので、母一人で何でもするには難しく人の手を借りなければできないことなどをたくさんたくさん書きました。
この欄で書き切れないときや本人を目の前にして言いにくいことなどは別の紙に書いて、この申請用紙に添付してもいいと思います。
私が思うに、この欄に記入したことは要介護認定の決定にかなり重要な項目になっていると思います。
もちろん後日調査員が来て実際に親の様子等をチェックするのですが、その時に口頭で伝え切れない事もあるし、例え伝えたとしても調査員の人が忘れてしまうことも考えられます。
そうなっては、要介護認定に大きく影響してきますので、しっかりと書いて現状を正しく伝えたいですね!
③認定調査時の同席者について
調査員による調査が行われる時に、同席できる家族がいるかどうかについて、必ずどちらかを選択する必要があります。
この調査のときには、日常の親の様子を知っている家族が極力同席するようにしましょう。
初めての申請の時には、各市区町村にいる調査員の方が調査に来てくれます(ちなみに1年経って要介護認定の更新の手続きのときには、各市区町村の調査員ではなく、地域包括支援センターに属している調査員の方が調査に来るそうです)
この欄に記載した連絡先に、後日調査日の調整のための連絡が調査員から電話にてきますので、都合のいい日時を相談の上決めていきます。
④その他の連絡先
ここは、本人や申請者に連絡がつかなっかた時に使用するものなので、もし該当する人がいなければ記入する必要はありません。
⑤調査員に事前に知らせておきたいこと
この欄では、ここに記載されている通り、予定している外出や調査時に配慮してほしいことなどがあれば記入します。
うちの場合は、母は自分が認知症であるとの認識は全くなかったので、その旨を書いておきました。
また、救急車で運ばれたときにわかった健康面についても(母は心房細動が見つかったのですが)書いておきました。
このように、どんな細かいことでもいいと思うのです。
伝えておいたほうがいいと思われることは、どんどん書いておきましょう!
ケアマネージャーの紹介
私が住んでいる地域では、介護保険の利用申請の手続きを提出すると同時に、申請書に書かれた情報を地域包括支援センターに提示してもいいかどうかの簡単な書類を書かせられました(これは地域ごとに違いがあるかもしれませんが)。
地域包括支援センターへの情報提示を承認すると、後日地域包括支援センターから電話にて担当ケアマネージャーを紹介されます。
もちろん知り合いにケアマネージャーがいる・この人に担当になってもらいたい、という場合にはその旨を伝えればいいと思いますが、そのような人がいない場合には地域包括支援センターより紹介してもらった人が担当ケアマネージャーになります。
とは言っても、会ってもいないのに、その人に今後のことを任せて大丈夫なのかって不安に思いますよね。
私も心配でした。
でも大丈夫です。
後日、地域包括支援センターの人と担当ケアマネージャーとなる人が自宅訪問をするのですが、会って話しをしてみてもし合わないと思ったときには、変えてもらうことも可能です。
なので心配することなく、とにかく会ってみて、今後長くお世話になっていくのだから親本人との相性だったり、その他諸々のことを総合判断して最終決定するといいと思います。
私達家族とデイサービスとのパイプ役にもなり、わかりにくい様々な介護保険のサービスについても教えてくれたりと、ケアマネジャーは大きな関わりをもっていく人となります。
なので、もし他のケアマネージャーに変えてもらいたい、と思ったときには、いいんだろうか?!と思う気持ちはわかりますが、遠慮せず地域包括支援センターの人に正直に言ってみることをお勧めします。
合わないな、嫌だな、と思いながら担当してもらっても、決していい結果は生まれませんから。
私の住んでいる地域では、このように介護保険の申請と同時にケアマネージャーの紹介がありましたが、他の地域に住む知り合いの話によると、ケアマネージャーが属する居宅介護支援事業者の一覧が載った冊子を渡され、自分で好きなところに連絡をしてケアマネージャーを決めるよう言われたとのことでした。
地域によって随分と違いがありますよね。
自分の住んでいる地域ではどのように決めているのか、各市区町村の介護保険課や地域包括支援センターに問い合わせしてみるのもいいかもしれませんね。
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調査員による調査
電話で決めた要介護認定の調査日には、1人の調査員が自宅に来ます。
調査時間としては30~40分ぐらいですかね。
調査員によって、若干の違いはありますが、認定を既に受けた人達の話を聞くと調査項目は大体同じのようです。
ケアマネージャーの話によると、この調査項目は決められているそうなので、調査員によって違ってくることはないそうですが、調査の深さは違ってくるかもしれませんね。
以下に、母が実際に受けた調査項目を挙げてみますので、どのようなことが調査されるのか参考にしてみてくださいね。
<本人について>
本人の名前・年齢・生年月日・家族構成 など
<一般的なことについて>
今の季節・今は何月か・今朝起きた時間・朝食に食べたもの・就寝時間・料理はするか・買い物は行くか・洋服は自分で選んだり着たりするか・一人で散歩や出かけたりするか など
<認知機能につて>
3つの単語を覚えて、数分後に言えるか・調査員と同じ手の形(例えばチョキやグーなど)ができるか・絵を見せて何の絵か言えるか・少し離れたところでも見えているか・耳の聞こえ具合はどうか(例えば調査員が言ったことをオウム返しに言う)など
<身体面・運動面について>
イスに深く腰掛け、片足を上げる・両足を上げる・片手を上げる・両手を上げる・イスから立ち上がったり座ったりする・グーパーをする・直線をまっすぐ歩く・Uターンして戻ってくる など
<申請書に書かれてあることについて>
ここからは本人というよりは、同席している家族に対しての主な質問となります(親本人は同席していても別室に行ってもらってもOKです)。
申請書に書かれてあったことについての確認やより詳しい内容を聞かれます。
補足が必要なことや書き忘れてしまったことなどをしっかりと伝えましょう!
以上の調査は大体30~40分ぐらいで終わるのですが、調査が終わると雑談めいたことはほとんどなく調査員は早々に帰ってしまいます。
調査員によるのかもしれませんが、ちょっと事務的っぽい感じですかね?!
こんな感じで調査は終了です。
余談ですが、調査員の方にはお茶を出すだけで、他はあまり気を遣わなくても大丈夫だと思います。
要介護認定
<一次判定>
調査員による調査が終わると、この認定調査結果と上記申請書にて説明した主治医による意見書の2つの資料をもとに、一部の項目がコンピュータ入力され、一次判定が行われます。
<二次判定>
一次判定結果や主治医の意見書などをもとに、保健・医療・福祉の専門家による審議会が開かれて審査および要介護認定が決定されます。
結果の通知
要介護認定の結果の通知は、申請書を提出してから原則として30日以内に、通知書と共に要介護状態(=区分)が印字された『介護保険被保険者証』が自宅に郵送されます。
年末年始などでは1ヶ月目一杯かかることもありますし、その時の申請の混み具合によって違ってくるようです。
至急を要する場合には、調査員による調査のときに伝えると優先されるとも聞きましたので、どのくらい早まるかはわかりませんが、伝えておくと若干でも早まるかもしれませんね。
ここで出た要介護認定区分によって決められたサービスや上限額の範囲以内で介護保険サービスを今後受けていくことになります。
もし、この認定結果に不満があるときには、『区分変更申請』というのができますので、その方法については別ページにて書きたいと思います。
まとめ
以上が要介護認定を受けるまでの流れとなります。
色々と書いてしまいましたので、もう一度簡単にまとめたいと思います。
要介護認定を受けるには、
- 介護保険の利用申請手続き
- ケアマネージャーの紹介
- 調査員による調査
- 要介護認定
- 結果の通知
の流れとなります。
要点としては、
1.申請手続きでは、『主治医の意見書』欄がありますが、ここは申請者自身が主治医となる医療機関名や住所・主治医の氏名を書くだけで、あとな何もしなくて大丈夫です。
2.ケアマネージャーの紹介では、今後長く付き合っていくケアマネジャーです。もし合わないと思ったら我慢することなく変えてもらいましょう。
3.調査員による調査では、普段の様子等を細かく書き、書き切れない場合には別紙に書いて添付することをお勧めします。
4.要介護認定では、一次判定と二次判定を経て最終的に認定されます。
5.結果の通知では、申請から30日以内に『介護保険要介護認定・要支援認定等結果通知書』と共に要介護認定区分の書かれた『介護保険被保険者証』が郵送にて送られてきます。
この要介護認定が決定したあと、要介護認定区分によって決められたサービスや上限額の範囲以内で介護保険サービスを今後受けられるようになります。
要介護度によって受けられるサービスや各市区町村ごとの独自のサービスなどがありますので、担当ケアマネージャーに教えてもらいながら、親本人にとっても家族にとってもよりよいサービスを受けていってくださいね!!
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